老馬道を知る

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決戦前夜に考えたこと

明日の朝、最後のコロンビア戦を戦うことになる日本代表だが、ここまでの戦績は、事前の予想を裏切る結果となっている。けれども、今回は本当に「期待はずれ」なのだろうか。

ワールドカップが開幕する前は、事前のメディアの煽りもあり、日本全体がどこか楽観的な空気に包まれていた。今回はまず決勝トーナメントには行けるだろう、この4年間で日本は劇的に進歩した、世界で活躍するプレーヤーが11人中○○人もいるから大丈夫だ・・・しかし現実はそう甘くない。

考えてみると、ワールドカップのグループリーグを突破する、ということは、世界のトップ16に入る、ということだ。200カ国の中の、16位だ。スペインやイングランドが敗退するような高い壁を前に、楽観できる余地などないはずだった。

かくしてワールドカップは始まった。日本代表は、初戦のコートジボワール戦に負け、2戦目のギリシャ戦に引き分けた。もっといい戦いができるはずだった。コートジボワール相手には、自分たちのプレーができなかった。暑さに負け、相手に合わせてしまい、守備に走ることになり、攻撃サッカーができなかった。ギリシャとの戦いでは、ボールは保持するものの、守りを固めた相手に攻めきれず、決定機はことごとく外した。ザッケローニの采配が一貫せず、選手が力を発揮しきれていない。戦術がブレている。

メディアはそんな風に書き立てる。

しかし、本当にそれだけが原因だろうか?

特にコートジボワールとの戦いで感じたが、日本がボールを持てなかったのは、戦術以前に、「個人」の力が圧倒的に違うことが原因だ。ヤヤ・トゥーレやジェルビーニョ、ドログバ相手に、1対1で戦える選手がいただろうか。「2人、3人で奪えばいい」けれども、そうしたことが原因で、ドログバに気を取られた一瞬で、2点を取られてしまった。結局、1人1人が対等に戦えるようにならないと、無理なのだ。ボールを持てない、ボールを運べない、1対1で勝負できない、ボールを奪えない。これでは、いくら「組織で戦う」と言っても限界がある。1対1の場面で、勝負せずに横パスに逃げてしまうのは、自信がないからだ。世界のプレーヤーは、取られてもいいからチャレンジをする。日本は、取られないように逃げのパスをする。こうして、4年間が過ぎ、南アフリカ大会から、世界との距離は縮まらないまま、終わってしまった。

日本のメディアは、その一番根本的な原因に目を向けず、ザッケローニの采配を否定したり、日本のメンタルを批判したりしている。けれども、そんなことでは世界との差は縮まらない。今こそ、本田が話していた「個」のレベルを本当の意味で上げ、世界と対等に戦えるプレーヤーが出てくる必要がある。そういった選手を育てられなければ、日本サッカーはいつまでたっても欧州・南米のレベルには届かない。

今回のワールドカップが終わったあと、日本代表の選手たちは何を話してくれるのだろうか。落ち着いて分析できるようになったときに、ぜひ「個人」の力の差の話をしてほしい。

とはいえ、明日、何かの奇跡でコロンビアを破ることがあるかもしれない。サッカーに絶対はない。そんな期待をしつつ、しかしやはり内容の伴った試合をして欲しいと思う。

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